2012年6月25日月曜日

平山素子さんの夏ワークショップ

間もなく情報公開出来ると思います。
明日、もすこし詰めてきます!!

あと一ふんばり!!

観劇録、の前に…。

今日は、文楽劇場で「文楽若手会」を観てきました。
開演前に、とある人形遣いの方と打合せをしており、大阪市からの助成金カットの話になりました。そこで、人形遣いの方が仰ったのは
「僕たちが声を荒げて何かを言うことは、今後もほぼないでしょう。きっと、そう言うことをして、事態が改善されることはないと思います。僕たちができることは、芸を磨いてお客様に来ていただくことです」と仰っていました。
これについても色んな意見があるでしょうが、文楽でも歌舞伎でも、今や制作さんや営業さんがいらして、広報や宣伝活動をすごく苦心してやっておられます。
そこでどなたかが、まだ観たことのない文楽に興味関心をもったとしても、いざ劇場に足を運んだ時にがっかりする芸だったら元も子もない訳で、「厳しいときだからこそ芸を磨く」というその言葉を、凄く頼もしく思いました。


そう言えば、その打合せの後で伝統芸能のコーディネーター(かつての職場の先輩)と話していたのですが、能楽師の方がお酒の席で「このままだと能は三年でつぶれる」と仰ったそうです。「そうならないために(そうさせないために)、能がいかに素敵で格好いいかをきちんと表していかないと!」とも仰ったそうです。

好むと好まざるとにかかわらず、そういうことを考えなければならない岐路に立っているんですね、いずれの伝統芸能も。


ところで、若手会は満員。
普段の文楽公演の時に芯になる重鎮の方が出ていらっしゃらないので、客席はわりと空いているんだろうなぁ、と思っていたら補助席まで売り切れだったそうです。
「人気あるんや〜ん、文楽!!」
と、ちょっと嬉しかったな。

太夫さんの語りも、キャリアや声質でここまで違うの!?
太棹の三味線って、こんな音も出るの!?こんなことまで表現できるの!!
人形ってスタイルいい〜(こらこら)!
と十二分に満喫して帰りました。

ちなみに、能は”謡い”ますが、浄瑠璃は”語り”ます。
能は神様に見せるもの(本来は)ですが、浄瑠璃はお客さんに聞かせるものです。
伝統芸能なんて、あんまり知らないわ、という方も、文楽は取っ付きやすいかな、と思います(私はどちらも好きです〜。でも一括りに「伝統芸能」と言い切れないくらい違う舞台芸術だと思う…)。
あと、文楽のことを知るのには、三浦しをんさんの小説「仏果を得ず」がおすすめです!!

2012年6月24日日曜日

観劇録:月の岬

アイホールで上演中の青年団「月の岬」を観てきました。
本当は…。京都芸術センターでの東京ELECTROCKの「最後にあう、BLUE」
を見る予定だったのですが、どうしても吉本有輝子さんの照明が観たくて。
吉本さんは、維新派や山海塾、少し前までは地点の照明などもされていた、
凄く素敵な照明家さんです。
海の底から空を見上げるような、透明感と奥行きのある、とても私的な照明
をつくられます。

私はもともと、朝倉摂さん、という舞台美術家さんが大好きなのですが、
朝倉さんとよく組んでおられる照明の巨匠、吉井澄雄さんのコンビの作る
舞台がすごく素敵で、そこから照明の美しさを知ることになりました。
ミュージカルの現場で、命をかけて照明を作っている現場スタッフの熱意
を見たことも、影響してるのかも知れません。

話はそれましたが、今回もそれはそれは美しい照明でした。
そして、「月の岬」という作品も、素敵でした。すっかり成人している
姉と弟にまつわる人々(妻や妹、昔の恋人?、妹の連れ合い、など)の
暮らしをスケッチのように描いた作品なのですが、弟の結婚式から物語は
始まり、どんどん暮らしの色んな綻びが見えて来る、そんな内容です
(あ、ばらしちゃった)。
15年前の初演の頃も、姉と弟の関係性が近親相姦的だ、という批評が
あったそうで、同じ公演を観ていた知人と話していたのですが、「そういう
意見を持つのって、案外男性なのかもね」と。男女の性差がどこまで
影響するのか分かりませんが、同性愛、近親相姦など、血のタブー的な
ものに関して鷹揚なのは得てして女性な気がします。
あと、最後に弟の連れ合い(妻)が、失踪した姉の帯締めを(勝手に)
借りている、というシーンがあるのですが、オリザさんはそれを連綿と
繋がる「継承」と仰っていたのですが、私は新参者が徐々に”家”を凌駕
し始める強かさというか、浸食、というイメージを持ちました。

演劇は、ダンスに比べて文脈がはっきりしている分、却っていろんな
解釈があり、それが面白いです。
一つの鏡が演劇だとしたら、その鏡の大きさも、形も、重さも明らか
なのに、何が映るのか、何を映すのかは百人いれば百人違う。
その鏡の形状は、ダンスよりもより具体的なのが、演劇、という気がします。


あー、だんだん着地点を見失ってきたので、今日はここまで(笑)。

2012年6月12日火曜日

平山素子WSについて

さて先日のこと。平山素子さんとお話をして、ワークショップのことを
色々つめています。
がっ!!
こーれーが、なかなか決まらないのですよ〜。二人で、あぁでもない、
こうした方が…といろいろアイデアが出て、まだ要項を皆さまにお伝え
できる状態にならないのです。
こまったこまった。

ですが、素子さんも私も、少しでも、皆さまにとって「美味しい」ワーク
ショップにしたい!!と思っております。
ですので、もう少しだけ、粘らせてください。
せっかくのワークショップですし、皆さまに時間を割いて、お金を払って
来ていただく訳ですから、「やったー!!」と思っていただけるような
プログラムにしたいのです。

だからといって、告知が遅くなるのも本来は問題なのですが…。

やきもきさせている皆さま、本当に本当に申し訳ありません。
2ヶ月前には告知しますので(いやいや、それよりはやく!と思っており
ますです、ほんとに。)、今しばらく、お待ちください。


それにしても、素子さんの発想と頭の回転、凄いです…。
天は二物も三物も与えるのね。
人生って…。

2012年6月9日土曜日

観劇録:平山素子さん リレーコレオグラフ

さてさて。
リレーコレオグラフ。

懐かしい面々(以前のショウイングに出演してくださった方々!)に
お会いし、しかも、資生堂の上田さんや衣装の堂本さん、
アルファルファの山口さんにもお会い出来て、客席ですでに感激。

東京は、やはり公演本数も多いですし、レベルも高いので、羨ましい。
文化の一極集中は確かにあるし、地方は地方の良さがあるけれど、
良作に巡り会う確率は東京が断然高い。見るものとしては羨ましい。



そして、平山素子さんの「リレーコレオグラフ」。
前プログラムが押して、なんと45分押し。
しかし、劇場さん側からは一言の説明もなし。ま、そう言う企画なのね。
(やれやれ。ですが、東野祥子さんのダンスは凄かったです)

この企画は、4人の振付家(今回は、安藤朋子さん、井出茂太さん、
室伏鴻さん、和栗由紀夫さん)が、
一人のダンサー(平山さん)に振りつける、というもの。
企画性の高い催しなだけに、どんな状況になっているのか、
興味津々、戦々恐々。


今回、観た私の感想。
素子さんへのキャッチフレーズにしました(笑)。
「平山素子は、支配されない。」
素子さんの魅力の一つは、観客を高い集中に引き込むことだと思って
います。それは、作品に由来するところが半分、そしてダンサーとしての
ところに由来するのが半分なんだなぁ、と今回観て思いました。
素子さんは、どの方のピースを踊っても、それに翻弄されないし、
逆に蹂躙もしない。
人の振付けを尊重しているのだけれど、それに膝を折ることはない。

4つのピースは、全く別のところに由来していますが、それだけに、
首尾一貫して素子さんの崇高な感じがよく現れていていました。
敵国にとらわれた(あるいは臣下に裏切られた)姫が、投獄され、拘束され
折檻されても、プライドを失わずに気高く死んでいくような(しかも、その
合間合間に井出さんのキュートなピースが挟まってる!)。
いえ、あくまでも感想なので、別にそういうストーリーがあった訳では
ないのですが、構成的に、ね。
ダンスは言葉や物語がないだけに、踊り手の人間性が如実に現れますねぇ。

ところで、衣装は緑色のウール(?)のワンピースで、とにかく重そう、
で、暑そう。
踊りが、もの凄い動くピースと、めちゃくちゃ静かなピースが交互に出て
くるので、体力的にも凄くきつそうだし(間違いなくきつい!)、
とにかく動くのが大変そうな衣装でした。
激しく動いた後、動きの少ないピースに行くのもしんどいけど、その後また
激しく踊るのは更にきついだろうし、更にその後で痙攣、とか、過酷…。
それが、絶対無二の演出効果ならいいのですが、そう言う訳でもなさそう。

企画者側へのお願いとしては、踊りこんで、作品としての精度が上げられる
環境を提供してほしかったなぁ。
というのは、自分への戒めでもありますが。


いやしかし、批判的なニュアンスが濃い内容になっていまいましたが
これは相当貴重な機会。見られてよかったです。
この企画、どんどん進化させてほしいです。

2012年6月6日水曜日

東京にいます~

さて、今日は朝から東京におります。 夜は、森下スタジオでの、平山素子さん出演の 「リレーコレオグラフ」を観ますよ。 ワークショップのメニューが、まだ固め切れていないので、 そのヒントを探しにいきます。 とは言え、純粋に見るのが楽しみ♪ また、ご報告しますね。

2012年6月5日火曜日

GAGA in Kyoto 0617

さてさて。
次回のGAGAは、6月17日13:30〜です。
会場は前回と同じ、下京区いきいきの集会室です。
(場所がご不明な方は、ご連絡ください)
今回は日曜日なので、お間違えなきよう、ご注意ください。

こないだ、ちょっと床がざらざらしていたので、今回はお掃除念入りにして
臨もうと思います!

そ・し・て!

なんと、この6月17日のGAGAで、GAGA in Kyotoは一周年を迎えます!!
ぱちぱちぱち〜。
ここまで、細々とではありますが、続けてこられたのは、ご参加くださる
皆様のお陰です。
ぜひ、今後とも心身リフレッシュと身体探求の旅に、共に出かけましょう。


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GAGA in Kyoto 

日時:6月17 日(日)13:3015:00
場所:下京いきいき市民活動センター
講師:鞍掛 綾子
費用:2,500(当日お釣りのないようお持ちください)


お申し込み方法:件名を「6月17日GAGA」とし、本文に参加される方の氏名、連絡先をご記入のうえ、eldeseo3@gmail.com にメールをお送りください。追って返信します。
締切は、開催日前日の22時です。以降のお申し込みは080-1492-7058(福島)にお電話ください。

2012年6月4日月曜日

観劇録 力づく、じゃないダンス

ふぁい。ご無沙汰しております…。
5月は、徹さんのWSが終わってから、すっかり腑抜けになってしまい、
更新がご無沙汰でしたが、6月からはもりもりっと盛り返していきたいと
思います。
どうぞよろしくお願いします。

さて、昨日3日、江之子島芸術文化創造センターでの、
セレノグラフィカさんの公演を観てきました。
題して、「江之子島でダンス」(そのままやん!!)
しかし、芸術文化創造センター、という名前も、あらゆる文化施設の名前を
くっつけたような名前ですね(笑)。愛称を募集しておられるようです。
早く愛称がつくといいな〜。呼びにくいもんな〜。
でも、センスのいいのにしてほしいな〜。などと思いつつ。


さて、セレノグラフィカさんのダンス。
さすが、15年目の安定感と言うか、まごうことなきセレノワールド。
セレノさんのダンスは、
「くらしのさりげない部分を素敵に見せてくれ」ます。

「凄い身体能力」とか「ずきずき来るような緊張感」、ということではなく
さりげない日常が、きらっと光るものに見えてくるような、
そんなダンスです。
映画なら「アメリ」、みたいな?向田邦子のエッセイ、みたいな?
「感動したい」「衝撃を味わいたい」という見た目も中身も
切っ先鋭いダンスとはまたちょっと違った、
とっても素敵な味わいがあります。
セレノさんのダンスは、動きがとても可愛く、面白くて、衣装も素敵なの
ですが、その可愛さでくるまれた中に、ピシッとした意思が見え隠れして、
そこがいい。
子供用の積み木は、角も丸く、暖かみもありますが、
口に入れても危なくないよう、これでもか、というくらい丁寧に研磨して
あります。セレノグラフィカの作品は、まさしくそんなダンス。
優しいけど、だらしなくない。柔らかいけど、甘くない。そんな感じ。
そして、阿比留(修一)さんだけでも、隅地(茉歩)さんだけでもじっと
見入ってしまうのに、二人があわさることで、さらに妙な可笑しさを
醸し出してるし、そこに鈴木みかこさんが加わることで物語がどんどん
転んでいく、そんな感じ。
そう言う意味では、なんだか文学的なダンスなのかもしれないな〜、なんて
思ったりもします。
(詩もでてきた。そしてそのピースがこれまた良かったのです〜)


この作品、12月までバージョンアップしながら全国各地を回るそうです。
最後は私の古巣でもある、愛すべき「京都芸術センター」で公演とのこと。
楽しみです。むふふ。