2014年10月23日木曜日

観劇記。10月

だいぶさぼってしまった。

ので、10月の観劇日記を。
10月は大分ぎょうさん見ました。が、書いてない奴もあります。
ごめんなさい。


10月1日(水)ビルのゲーツ
ヨーロッパ企画の演劇。久々にヒヤヒヤのシチュエーションじゃないヨーロッパ企画。小心者の私としては歓迎!上田さんの脚本の巧みさ、役者がむちゃくちゃしっくり着てる感じ、さすがヨロ企!

10月3日(金)To belong/suwung
北村明子さん振付のダンス。ラフィキ(by Lion King)のような女の人がいる〜!序盤〜中盤、ちょっとうとうとしてしまったけれど、終盤は圧巻。神様たちの戯れ、のようなシーンが凄すぎる。

10月10日(金)ファントム
久々ミュージカル。マルシアさんと吉田栄作さんの演劇力!演技力、と言うよりも演劇力!しかし、全体的に(特にクリスティーヌ!)の圧倒的歌唱力の弱さが感動に導けない原因か…。むむむ。

10月15日(水)xapaxnannan:私たちの未来のスポーツ
contact Gonzoは大好きなのだけれど、この作品は、中でも1、2を争う好きさ加減。賛否両論らしいけれど、ここまで真剣にばかばかしいこと(いい意味でね)をやってくれるのはとんでもなく素敵なのだ!

10月16日(木)文楽地方公演 昼の部/夜の部
なんだか、やってる方に集中力がないんちゃうん〜?っていうか、見ている私にそもそも集中力がないん違うん〜?文楽劇場で観る、とう行為にすっかり馴れきってしまっていることを痛感。いやいや、でも、ナレッジシアターでも近鉄アート館でも、楽しめたんだけどなあ。今回は全然散漫になっちゃった。なぜ?

10月19日(日)光のない。
地点は大好きな劇団。今回も、ま〜ったく内容を理解できないアホな私ですが、それでもとにかく地点が凄い、ということだけは伝わるのだ。

10月19日(日)透視図
維新派は、とにかく長いから…。でも、吉本さんのミニマリズムを極めた照明も、松本さんの世界観も、もういてもたっても居られないほどの。そして、水。舞台越しに観る大阪の街よ。私の元職場からとても近いところで、こんな素敵な舞台を繰り広げてくれるなんて。



とりあえず、今までのところ、こんな感じです。
私見に偏りまくりのコメントでごめんちゃい。

2014年9月20日土曜日

シェイクスピアから翻訳作品をちょっと覗く。


今年はシェイクスピア生誕450年だそうです。 
生きていたら450歳。 
って考えると、「ホンマに居はってんなぁ」と 
不思議な感慨。 

そんな訳で、今夏はシェイクスピアを2本観ました。 
どちらも「ハムレット」。 
私も大学時代、夏に「ハムレット」に出演したことが 
あるのです(遠い目)。 

ハムレット、いろんな人が訳されてますね。 
とある演出家の方が、面白いことを仰っていました。
「原作が1つきりでも、翻訳は100にも200の作品にもなる」と。 

翻訳作品の場合、ゼーッタイに越えられない壁がある。
それは、時代であり、環境であり、風俗風習であり。 
韻の踏み方であり、その地域の言葉が持つ抑揚であり。 
そのニュアンスを、完璧に伝えるなんてできないものね。

しかし、だからこそ翻訳ってジレンマがあり、同時に訳す醍醐味が 
あるんだろうな、と思う。 


正直言って、私はシェイクスピアがあまり好きではありません。
イギリスの作家があまり好きではなくて…。
でも、「ハムレット」の持つ多面性
ひいては、シェイクスピア作品の面白さ、を感じられるようになったのは
大人になったからなのか、何なのか。

まだまだ学ぶことがある。
なんて思う、2014年の夏でございました。

2014年9月2日火曜日

新しい舞台

先日、KAATでLost Memory Theatreを観てきました。
ふ・し・ぎ!
な、時間でした。

三宅純さんが主導で作品を創られたようで、音楽の世界観が
ありありと現れているようで。

舞台公演なんですが、ストーリーはなくて、
ダンスもあるけれど、芝居が主体。

という何とも摑み所のない舞台。

何かを追いかけようとすると、何も掴めないけれど
確かにそこにある。
というのは、花の匂いを嗅ぐ行為に似ているな、と思いました。


感動、とか、わかりやすい筋書き、とかではないけれど
舞台を味わう、という感じ。
外国の舞台みたいかな?
言葉もシナリオもわからないけれど、そこにある熱を感じる、みたいな。


漂う雰囲気を味わう、というのは、飴ちゃんをなめてるみたいですね。
嘗めれば嘗めるほど、小さくなって、ついには消えてしまう。
でも、甘やかな香りは残る。


今までの観劇形式では味わえない、なんだか不思議な舞台でした。


2014年8月20日水曜日

森優貴ワークショップ見学させていただきました

17日、森優貴さんのワークショップ@神戸、見学させていただきました。
ローティーンの女の子から、私くらいの年齢の方まで、皆さん
「この機会を逃してなるものか」という真剣なまなざし。

そして、6時間にわたるワーク、全く気を抜くことなく取り組まれる森さん。


森さん、ブレイクの時も
「次は何をやろう」「さっきはこんな風に運んで行った」と
振り返り、課題を見つけ、の繰り返し。
そんなにも真剣にワークショップに向き合っている、ということに
頭が下がります。


ワークショップ乱立のご時世。
「ちょっとその道に詳しい」というだけでも、簡単に開けてしまうのが
この、ワークショップ、というやつなのです。

でもね。


初めて会った人たちとの関係性。
それぞれスキルの違った人たちを、どうナビゲートしていくのか。
ワークショップに求めるものが人によって違う中、
自分は何を提供できるのか。

そもそも、人として、他者とどう向き合うのか。

これは、容易ではない問いです。
そして、この問いを立て、自分なりの解を持つワークショップのセンセーは
決して多くない。

子どもになめられる人、習熟の遅い参加者を見捨てる人、
仲良しだけで進める人、自慢話(武勇伝)で終わってしまう人、
「すいません、こんなで…」と弁解を始める人…。
たとえ、その人に踊りの能力が備わっていたからといって
ワークショップのファシリテートに長けている、とは限りません。

その意味でも、森さんの必死に取り組む姿勢は、とても真剣で、挑戦的で
はたで見ていてゾクゾクしました。

来年は…。
あるのかなぁ、森さんのワークショップ。


今回、参加できなかった皆様。
もし来年あるとすれば、ぜひ受けてみてくださいね。




2014年8月13日水曜日

身体を動かす、って…。

私事で恐縮ですが、
ひっさしぶり〜、に、バレエのレッスンを受けてきました。
どれくらい振りだろう、多分1年半くらいは踊ってなかった。

最後にGAGAをやったのも、1年ちょっと前だったし、
シアターダンスのワークショップも受けたけどそのときは
ついて行くので精一杯。振りを覚える脳みそ、どこへ行ったの〜
って感じだったので。


で、もう、本当に楽しかったです。
筋肉が落ちているので、身体はむちゃくちゃきついし
出来ていたことが出来なくなっているし
息もすぐあがるんだけど、プリエしているだけで
ニコニコ〜、ってなっちゃいます。

普段は、脳みそと指先(PCを使うから)しか使っていないので
おそらく生活がとってもアンバランスになるんですよね。
脳にばっかり血液が行く、というか。


やっぱり、バランス!
身体も、脳みそも、手先も、全部使わなアカンなぁ。
と、改めて思った本日でございました。

2014年8月11日月曜日

GAGA やります!@武庫川女子大学

投稿したと思っていたら、出来てませんでした(=_=;)

夏に開催してるGAGAの連日ワークショップです。

GAGA、バットシェバ舞踊団のレパートリー作品を踊るクラス、に加え
GAGAを深く知るための「GAGAメソディカル」も実施します。

メソディカルは、多分日本初かな?

今回の会場は女子大ですが、男性の先生です(笑)。
シャハ・ビンヤミンさん。バットシェバ舞踊団の現役メンバーです。


お問い合わせは、GAGA JAPANまで。






GAGAワークショップ+レパートリー振付
武庫川女子大学



Aコース 2014年9月13(土)14(日)15(月) 10:00〜17:00
Bコース 2014年9月19(金)20(土)21(日) 10:0017:00

内容
 10:0011:30 GAGAダンサー
 12:0014:00 レパートリー振付(バットシェバ舞踊団作品を習う)
 15:0016:30 GAGAメソディカル(GAGAを詳しく理解できるクラス)
 16:3017:00 Q&A



[参加費]
[A もしくは B 3日間コース]  25,000円 / 学生割引 20,000円
[A+B 6日間コース] 45,000円 / 学生割引 38,000円
[GAGAのみ もしくは GAGAメソディカルのみ単発受講] 3,000円
[1日単発受講] 9,500円

[対象]
舞踊歴 3年以上, 17歳以上のダンサー(ダンスのジャンルは問いません)
*基本的なダンス経験がない方の場合ダンステクニックの経験なく受講することになり、怪我をする危険がありますので、ダンス経験者のみの受講になります。

[持ち物]
動きやすい服装をご用意ください。ダンスシューズは必要ありません。

[会場]
武庫川女子甲子園会館(上甲子園キャンパス甲子園会館西ホール)




イスラエル、今、情勢が揺れていますね。
パレスチナのことを思うと、平静でいられない気持ちもありますし、
そう思う方のことを尊重したいとも思います。

私は、アートは残された一本の手だと思っています。
その手が何を掴むのか、誰と握手するのか、何を示すのか。
政治を冷ややかに映しだすと同時に、政治から自由でなければならない
と思います。

2014年8月8日金曜日

上方落語

朝、起き抜けに。
仕事から帰って、ネットサーフィンしているときに。
お休みの日のスキマ時間に。

最近、気に入ってかけているのは



ラジオ!   でもなく、

クラシック! でもなく、

アニメ!   でもなく(これは最近までやっていましたw)、



なんと、



上方落語

です。


何となく、ネットで拾ってきただけなんですが、それ以外にももちろん
言い訳はあります(笑)。


文楽や歌舞伎を見ると、その日本語の美しさにほぉっとなってしまいます。
昭和の作品でも、三島由紀夫なんかは、とても日本語が美しいですよね。
近世以降のことばは、今の私たちが聞いてもとてもよくわかりますが
その言葉の選び方や使い方が、感覚的に今の人間とは違います。
それがとってもすてきだなぁ、と思うのです。

言葉以外でも、習慣とか、仕草とか。

それを、もう少しシャワーのように浴びられないものかしらん、と思って
たどり着いたのが落語、ということもあります。


早世の天才、枝雀さんはもちろん、米朝さん、春団治さん…。
吉弥さんは若々しくぴりっと、でも七段目なんて聴き入ってしまいます。
まだまだ不勉強なので、偉そうなことは何も書けませんが、
朝の準備、通勤、帰宅途中のながら「上方落語」、おすすめでございます。

2014年8月5日火曜日

国立文楽劇場「女殺油地獄」!!



「女殺油地獄」
字面だけでもなんとおどろおどろしい。

知っている方も多いと思いますが、近松門左衛門の名作です。
今日は、この演目の千秋楽。
人形浄瑠璃で観てきました。

この写真の与兵衛くん、金持ちのぼんぼんなのに、放蕩三昧。
おまけに家庭内暴力はするわ、異父兄妹のおかちに嘘はつかせるわ
借金はあちこちで作るわ、のどうしょうもない若者。
ついに家を勘当され、近所の油屋の奥さん(お吉)を
遊ぶ金と借金返済のお金欲しさに殺してしまう、というお話。
殺す場所が油屋の店内で、逃げ惑うお吉が油壷をなぎ倒したり
升や漏斗を投げ、辺りは油まみれ。
その中を、つるつるつるつる滑りながら逃げ、殺し、という
凄まじい場があるのです。

いやぁ、これ。
与兵衛くんも悪いけど、甘やかした親が悪い。
継父ということで、与兵衛くんの好き放題を咎めない父親。
「いつかは心を入れ替えて店を継いでくれる」と甘やかす母親。
きっと、与兵衛くんが求めた愛情は、そんなものではなくて
ちゃんと自分と向き合ってくれる親、だったんだろうなぁ。


呂勢太夫さんの情あふるる語りは今日も全開で、
寛太郎さんの絢爛な三味線は聴きごたえ抜群でした。
そして、病気休演の燕三さんの代役を務め清志郎さん。
最初は「大丈夫?なんだかむちゃくちゃ不安そう(お顔立ち??)。
と思っていましたが、クライマックスに向かってメキメキと
勢いを増す三味線!
こんなにタフな三味線を弾かはる人なんや、と。


それにしても、返す返すこの作品。
教訓めいたくだりは一切ないものの、いろいろ考えさせられます。



2014年8月4日月曜日

バレエの発表会と、カテゴライズの話。


昨日は、ずっとお世話になっているバレエ教室の発表会でした。
といっても、私は出ません(^^; お手伝いさんです。

どんな発表会でもそうだと思いますが、
本番を待つ子どもの背中は、切ないほどにたくましい。
自分の出番の直前には、仲間の輪からそっと離れ、舞台をじっと見てる。
孤独という名の緊張と闘う姿。
で、舞台に立って、照明がつくと、キラキラしてるねんな〜。



今回、コンテンポラリーダンスの作品がありまして、
NDT2のダンサーの子が振付・出演を果たしてくれました。
中高生と、小学生と共演したんですが、
中高生と一緒に踊っていても小学生の子たちは、
不思議と目がいきます。
踊りとして面白い。
バレエの子がコンテンポラリーを踊るとき、振りを覚えて踊る、
というだけで、何となく上っ面感があって、面白くないな〜って
思うことがあるんですが、子どもたちは
「これはバレエ」「これはモダン」「これはハウス」とか
カテゴライズせずに、ただただ踊っていて。
きっと、「この踊りって…なんなんやろうな〜」と思いながら
やってねんねやろうな、とは思うんですけどね。


そんなちびっ子の踊りを観ながら
「なんかモダンっぽいけど子どもが踊るコンテンポラリーダンスって
癖がなくていいな」と思っていた私。
完全に毒されてます、カテゴライズという偏見に。
とほほ。



2014年8月1日金曜日

素子さんのワークショップ

今日は、名古屋での平山素子さんワークショップ。
19時〜21時までの2時間でした。

集まったのは20名弱で、メンバーは20〜40代くらいかな??
私がオーガナイズするときは、10代の学生さん、
ローティーンの方が混じることも多いのですが、今回は
年齢も近く(12歳と22歳の10歳差と、32歳と42歳の10歳差は
違いが大きいものですから)、統一感があるように思いました。
そして、男性が3人もいた!
これはとてもいいなぁ、と思いました。


からだの中でピンポン球を跳ねさせる、とか
からだにクリームを塗る、とか
イメージから動きを創っていくプロセスとか、

早く、ゆっくりを混ぜながら歩く。止まってみるとか

エクササイズをふまえて、自分で動きを構成してみる、とか。

皆さん、苦心しながらも果敢に取り組まれていました。


コンテンポラリーダンスは何でもあり!!と思われがちですが
盲滅法、思いつくままに動いているのは、
私はあまり好きではありません。
そういった意味でも、今回のワークショップのように
「インテリジェンスのある身体を意識する」というのは
コンテンポラリーダンスで、けっこう重要だと感じています。
なので、素子さんのワークショップに意義を感じているのですよね。


また、コンテンポラリーダンスは特に、
創作者がきちんと意図を持って動きを創っているのか
踊る人は、この動きの面白さ(ドラマ性、意味、作者の意図など
なんでもいいんだけどさ)について、ハテナ?ってなっていないか
というのが露骨に見え隠れするんですよね…。
そりゃもう、クラシックバレエとかとは格段の差で。
バレエはアンデオール、ターンナウト、高く、細く…という
明らかな法律があるけれど、コンテンポラリーダンスは
そうではないから、どうしてここの位置までなのか、なんでこの早さ
なのか、いつ動き出すのか、みたいなことに説得力がなければならない。
その意味で、インテリジェンスのある身体、というのが必要になって
くると思うのです。

メソッドはこれでなくちゃ駄目、とは思わないし
メソッドなんてくそくらえ、でもいいんだけど
やはり研ぎすまされた身体、というのが、必要だと思うのです。
息長く踊ろうとすれば。




なんてことを思いながら、見学していたのでした。
ちゃんちゃん。

2014年7月29日火曜日

夏と言えば…夏祭浪花鑑!!


所用で行った東京で、ぽっかり空いた1日。
せっかくだから、と銀座の歌舞伎座へ。
「夏祭浪花鑑」を幕見で観てきました。


見所が多い演目ですが、私が思わずぐっと来たのは、お辰さん。
玉三郎さんが演じてらっしゃいました。

自らの美貌のせいで、大切な役目(磯之丞を預かる)を任せられない、
と言われ、それなら美しくなくなればいいんでしょ、とばかりに
鉄弓で顔に傷をつけます。そのあと、おつぎさんに
「そんな顔になって、徳兵衛さんに嫌われはしないかえ?」と言われ
「こちの人が好くのはここじゃない。ここでござんす」と、
胸をぽん、と叩いて花道を去って行くのが、すごくかっこ良かった。
美しいのに、美しさではないところに自分の自信を持っているって
すてき!

あと、中車さんの関西弁が完璧でした。
堪能したんだけれど、もうちょっと浪速ことばのイントネーションが
きちんと出来ていればなぁ…。

新鮮だったのは、
義太夫も、文楽よりもつるんとした美しい声(文楽の義太夫は少し
嗄れたような声に味があります)だったこと。
台詞も七五調ではなく、現代演劇に近かったこと。
久々に観たら、久々なりの発見や楽しみかたがありますね。


今日は幕見で、4階だったのですが、とってもきれいで見やすい劇場でした。
「立ち見ですね」と言われていたのですが、運良くちょうど真ん中に
空席があり、座らせていただくことができました!
初めてイヤホンガイドも使ったのですが、これはおすすめです。
見所を的確に教えてくれます。


一幕見だと、1200〜1800円くらいで観られるので、ぜひ皆様もどうぞ!


最後は、歌舞伎座近くの喫茶店でのショット。
一杯950円のコーヒー。めちゃくちゃ美味しかったです。
歌舞伎座のお隣にある、昔からある喫茶店です。何杯も飲めそうな軽やかさ
だったけど、お高い…。
レアチーズケーキもあっさりしていて、私好み♡







2014年7月26日土曜日

振付家って…。

今日は、「エトワール・ガラ2014」を観てきました。
パリ・オペラ座バレエ団を筆頭に、シュツットガルトや
ハンブルクからも、超一流ダンサーたちが集まって…。

演目は、というと、クラシックは「眠り〜」くらいで
その他はコンテンポラリー。
ノイマイヤー、プティ、ゲッケなどの作品が並びました。
私が特に惹かれたのは、アンジュラン・プレルジョカージュ振付の
「ル・パルク」より”解放のパ・ド・ドゥ”。
衣装がとてもナチュラルで(ちょっとホテルのパジャマみたい・笑)
強くあり儚くも感じられる二人の関係性が、
ドラマチックすぎず描かれているように思いました。
あとは、ジェローム・ロビンズ振付の「牧神の午後」。
全く見つめ合わない男女なのに、悲しくも強い関係性を感じます。

コンテンポラリーダンスの男女は、得てして姉と弟に見えるなぁ、と
思うのですが、今回観ていて思ったのは、
振付家によって、”女性に何を投影するか”が違うのがとても興味深い。
プティは、どんな作品でも女性の中にコケティッシュな要素が
含まれていますし、
ノイマイヤーは、柔らかくたおやかなもの、
ニジンスキーは、男性を補完するもの、
という所でしょうか?
振付家によって、母性、処女性、美の偶像、悲しさ、など違いますが
この振付家にとって、女性というのがどういうものであるか、というのが
ガラではよく伝わる気がします。

もちろん、「ノイマイヤーはそんなもんじゃない!」などの意見もあると
思いますが、楽しみ方の一つ、ということで…。

2014年7月22日火曜日

NDT2の幸乃さんのコンテンポラリーダンスワークショップ!!

今日ご紹介するワークショップは、
NDT2でダンサーとして活躍中の高浦幸乃さんのワークショップです。

2009年ローザンヌ国際バレエコンクールでスイス本選に進んだ後、
ジョン・ノイマイヤー率いるナショナルジュニアバレエ団(ハンブルク)
の第一期メンバーに。ドイツのダンス雑誌「tanz」では、2013年に
期待されるアーティスト31人、に選ばれたそう。
今シーズンからNDT2で踊っている、という輝かしい経歴の持ち主です。

が、まだ、21歳かな?
すごく若くて、ほわわん、としたすてきなダンサー。
世界で初めての高浦幸乃さんのワークショップです。
とっても優しくて、心の澄んだ魅力的な女性ですが、
コンテを踊っているときは、冴え冴えです。



2014年夏期講習会(RGBレイグランバレエ)
対 象:小学2年生以上。ダンス経験不問。コンテの基礎から丁寧に
    進めます!
服装等:動きやすい服装、
    コンテシューズ・清潔な靴下・裸足・バレエシューズ
    (スニーカー・ヒールのあるものは不可)
    飲み物とタオル
会 場:RGBレイグランバレエ堺スタジオ
    大阪市営地下鉄御堂筋線「新金岡」駅徒歩10分
    大阪市営地下鉄/南海高野線「なかもず」駅徒歩15分
費 用:1レッスン2,500円(全日3レッスン7,000円)
日 程:A 8月8日(金)18:00〜19:30
    B8月9日(土)18:00〜19:30
    C8月10日(日)13:00〜14:30
申し込み方法:
    rgb7@ezweb.ne.jp または fax 072-257-8072
    「RGB2014夏期講習会」係まで、
     1.受講者氏名、2.連絡先、3.希望クラス(A〜C)
    4.年齢、5.性別、6.ダンス歴
    をお知らせください。
    2日以内に事務局より折り返しご確認の連絡をいたします。
    事務局からの連絡を以て、お申し込み完了となります。

*事務局より連絡がない場合は、お知らせください。
*定員になり次第、締め切りとさせていただきます。


会場、お申し込み先の、RGBレイグランバレエは、
こちらのweb siteからご確認ください。

高浦幸乃さんのプロフィールはこちらから(英語です)。
(RGBの中にも、少し前の活動の様子があります)


2014年7月20日日曜日

観ないと出来ないこともある

舞台を観て、書く。
私の仕事には、そういう機会が結構あります。

観たものを書くのは難しい。
観たもの、感じたことは、その人の主観なので、論理的に書こうと
しても、なかなか言葉が及ばなかったり、省略しすぎたり、という
ことがあります。
そんなときは、他人の目で文章を直してもらうことが、とても大切。

一方で、「観ないと書けない」表現、というのは必ずあります。
内容自体に、編集者(他者)の手が入るのは、まずい。
これは、したらあかんことです。
観てない人には、書けそうで書けないことがある。
「きっとこうやったんやろ?」という推測でも、絶対にそこは
書いたらあきません。

それは、食べたことのないものについて、さも食べたかのように話す
のと同じです。
それは駄目でしょ。
でも、書くことになると、やってしまう人は結構居るんです。


まず、観てください。
まずい芝居でも、どうしようもないダンスでも、もちろんすばらしい
舞台でも、なんでも、観てないのに批評したらあきません。
いつも観てるカンパニーでも、今回観てなかったら
その舞台の感想は、言えないのですよ(これ、案外やっちゃう人
多いように思います)。

この、流通とインターネットの普及しまくった世界なのに、
特定の場所で、特定の時間に、限られただけが、高いお金を払ってしか
体験できないことがある。
なんと贅沢な体験なのでしょう。

あなたはそこで観たものについて、感想を言う権利があります。
何を感じるのも自由です。
面白かったら、それをじっくり味わうのもよし、人に言いまくるのもよし。
つまんないと思ったら、思いっきり怒っていいんです。

願わくは、「こいつ、観てないな」というものに気づく心の感度を
あげて行きたいし、あがって行ってほしいな、と思う。

観たから出来ることがある。
観ないとしたらあかんことも、ある。

2014年7月19日土曜日

「演劇」について、思うこと。

今、とある演劇公演に携わっています。

稽古場では散漫に見えた劇世界が、
舞台装置の上に場所を移し、照明や音響が入ることで
一本芯の通った「作品」になる瞬間を目の当たりにするのは
裏方冥利に尽きる瞬間。

でも一方で、
「演劇」として表現をする必要があるの?と思ってしまう作品に
出会うことも、けっして少なくはないのです。

「これやったら、小説の方がいいやん」
「これやったら、歌ってたらいいやん」
「これやったら、家で一人でやっとき」

正直、怒りながら劇場を出ることも、しばしば。
人はどういうか知らない。
でも、私は「演劇でなければならない!」という切実な作品を見たい。
例えば、小説や誰かの人生を本歌取りにした作品だったとして
「これなら本読んでるのと一緒だ…」「ドキュメンタリーテレビ
みたいだなぁ」と思うような芝居に、演劇としての魅力を感じないのです。


あと、滑舌が悪いのもイライラする。
滑舌が良すぎて、台詞がカキカキしてるのは嫌だけど
長音、ハ行、同じ母音が続くとき、などしっかり喋れないのがすごく
気になる…。


だんだん愚痴みたいになってきたけど
自分がどこに重点を置いて舞台を観るか、と言うのは
考えてみると面白いことです。
自分なりの善し悪しの評価基準が時代の潮流と違うこともあるかもしれないけど
軸を持っている、というのは、俳優にも観客にも
もしかしたら結構大事なことなのかも知れません。

2014年7月18日金曜日

ちょっと遅くなりましたが…。マイ奈良掲載!




さて、7月号の「My奈良」のLife Styleという紙面に
原稿を掲載しています。

毎回、その人の人生の岐路やお仕事について伺うコーナー。
今回は、公共ホールで企画の仕事をしておられる方を
取り上げました。

私のかつての大先輩でもあります。

今回は、「書く」という仕事について、見つめ直すことに
なりました。
というのも、ギリギリで全面書き直しのハプニング!

毎回、「自分には、この人はこう見える」ということを
突き詰めて、こだわって書いているのですが、
「面白い」記事が、「いい」記事だとは限りません。
それで書かれる側が「これは残念な記事です」と仰れば
私は書き直します。
もちろん、ライターの中にはご自身の方向性を貫く方も
居られるでしょう。
けれど、私にとってはこのページは取材相手との共同作業。
「この記事では嫌です」ということになれば、また新たな
切り口を見つける他無いのです。

と言うわけで、今回はかなり土壇場の踏ん張りで書きました。
渾身の原稿が没になったのは辛かったけれど、
とても良い経験だったなぁ、と思います。

そして、私にとっては尊敬すべき方です。
「制作」という仕事について、少しはご紹介できたかな??

2014年7月17日木曜日

つづいて…。森優貴さんのワークショップ in 神戸!


8月は、森優貴さんのワークショップもありますよ。
毎年恒例の行事!
といっても過言ではない森さんのワークショップ。

こちらは、私のお友達でもある田村ゆう子さんの
オーガナイズです。とってもハートフルな女性なんです♪

そして、森さんもすごくフェアな方で、
ぜーったいに手抜きせずに一人一人を見てくださいます。
私も去年、ワークショップを見学させていただいたのですが
なんというか、「フェア」という言葉がぴったり来るのです。
受講者一人一人を尊重(respect)しておられるのがとても
伝わってきます。
だから、みなさん落ち着いて課題に取り組んでおられました。

森さんも、毎年神戸に戻っていらっしゃるのをとても
楽しみにしているんだそうです。
ぜひ、こちらもご参加検討してみてくださいね。

ドイツ、レーゲンスブルク歌劇場芸術監督/振付家 森優貴氏による
コンテンポラリーダンスワークショップです。

【日時】8月15日(金)〜17日(日)

10:00-11:30 クラスA
11:30-13:00 クラスB
14:00-17:00 クラスC

【内容】
〈クラスA・B〉(対象者:初級〜上級 中学生以上)
身体の使い方を考えるクラスです。

〈クラスC〉(対象者:中級以上、舞踊歴5年以上)
クリエイションのクラスです。作品を踊ります。詳しい内容は当日、
森が集まった受講生を見て決めます。

【会場】
神戸アートビレッジセンター

【受講費】
〈クラスA及び、B〉1回 3,000円
        3日間7,500円

〈クラスC〉1回 4,500円
3日間 11,000円

〈クラスA(またはB)とクラスC〉
1日 6,500円
3日間 18,000円

〈全クラス参加〉        
1日 8,000円
3日間 20,000円

【申し込み方法】

以下を内容を明記の上、メールをお送り下さい。

1.名前
2.参加日程・クラス
3.メールアドレス
4.電話番号

〈送り先〉田村ゆう子
yktmr7.28@leto.eonet.ne.jp
又は0905040までお電話下さい。

お申し込み後、確認メールが返信されます。
申し込み後、数日しても確認メールが来ない場合は、
お手数ですがご連絡ください。


森優貴氏(レーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術
監督/振付家)については以下のサイトをご参照ください。


レーゲンスブルグ劇場公式ウェブ
www.theaterregensburg.de
www.facebook.com/theaterregensburg

森優貴ウェブ
http://yukimori-opaquevase.jimdo.com/

一夜限り!の平山素子さんワークショップ in 名古屋!

みなさま、ご無沙汰しております。

朗報がございます。
平山素子さんのワークショップ、開講です!!

といっても、今回は名古屋。そして一日!

短い〜!とお思いかも知れませんが、その分、
ご予定の調整がつけられる方も
多いかも知れません。
ぜひぜひ、ご参加ください。

因みに、今回の主催は、わたくしではございません。
年明けの「象の会」に出演頂いた、あの!!三輪亜希子さんなのです〜!
ぱちぱち。
と言うわけで、私も微力ながらお手伝いさせていただきます。

関西の方も、関東にお住まいの方も、もちろん中部の方も、
ぜひこの機会にご参加ください。

三輪さんからのご案内、下記の通りです。

お申し込みの方は、eldeseo3@gmail.comに、
件名を「名古屋 平山素子WS」として

・お名前
・ご連絡先
・ダンス歴(あれば。ジャンルと年数)

をお知らせください。
お知りになりたいことがある方も、
件名を「名古屋 平山素子WS」として
内容をお知らせください(お名前もお書き添えくださいね)。

質問して「やっぱり辞めます」というのもOKですので、お気軽に♪
ダンス歴が短くて自信無いわ〜、という方が毎回居られますが
平山さんは、参加者の動きを見て内容を考えてくださるので、
思い詰めずに(!)ご参加くださいね。
周りの人が踊れてようが踊れてまいが、
ご自身のために参加していただくのですから。
踊りに自信がない人をほったらかしにしたり、
嫌そうな顔で見たりするような
ワークショップには絶対になりませんから、ご安心ください
(そんな講師やメンバーがいるワークショップは、絶対繁栄させたく
ないです。コーディネーターとして切に思っています)。

もちろん、「踊るの大好き!!」「もっとレベルアップしたい」
という方には、びっしびししごいてもらえる2時間になると思うので、
覚悟してきてください(笑)。

素子さんも、三輪さんも、そして福島も、皆様のご参加をお待ちしております!




******************************************************
☆平山素子ダンスワークショップ開催☆
日時:7月31日(木)19時~21時 
場所:お申し込み頂いた方に直接お知らせします(名古屋市内あるいは近郊)
金額:2000円

2014年6月17日火曜日

ミュージカル熱、再燃!!

最近、ミュージカルへの情熱が再燃しています。
四季の舞台監督助手をしていたとき、デビューを見届けた俳優さんが
メインキャストで出演するようになって、再びミュージカルを
よく観るようになりました。

しばらく、遠ざかっていたんですけれどね。

ブロードウェイやウエストエンドの作品が好きだったのですが
あのゴージャスさにちょっと辟易したりもして。
数年前にニューヨークに行った時、ブロードウェイの疲弊感を
感じたりもしたので、それほど魅力的に感じなかったのです。

けれど、久々に『Lion King』を観たら、ずっと劇中歌が耳を
離れないのです。そして、曲が頭を回りだすと、そのときの情景が
浮かぶのです。
日々、色んな曲が頭の中を流れ、色んなシーンを思い出し…。

こういう体験は、ミュージカルならではのもの。
そして、いいミュージカルの証拠が、これだと思うのです。


日本語ではミュージカルは難しい、と言いますが、
日本のオペラはお能とバレエ、ミュージカルは歌舞伎と文楽である、
と私は思っています。

コンテンポラリーダンスをやっている方には、ぜひお能を観て欲しいと
思いますし
伝統芸能の方達が、もっと現代の舞台に触れてくれるようになればな、
と思っています。

なかなか難しいんですけどね〜。色々、細かいことが。
そんな話も、また書きますね。

2014年4月13日日曜日

My Nara(マイ奈良)4月号に掲載しています

4月1日に発行された、「マイ奈良」4月号の、
Life styleというページで、奈良ホテルの「ザ・バー」ヘッドバーテンダーの
宮﨑剛志さんのインタビュー記事を掲載していただいています。

宮﨑さんは、奈良ホテルで働く傍ら、独学でお酒について学び
カクテルのコンペティションで国内1位、世界3位の成績を収めた方。
切れ者、という眼光鋭い武士のようなたたずまいと、
ホテルマンならではの物腰の優雅さを持ち合わせた、とっても魅力的な
方です。

20年のホテルマンとしての活躍と、
世界に名を残すバーテンダーとしての活躍。

その裏には、
夢を絶対に諦めない、という熱い思いと、
日々、夢に向かって努力する真摯な姿勢と、
毎日の、目の前の仕事をおろそかにしない誠実さが、
びっちりと詰まっていました。


飲ませていただいたカクテル(世界3位を取ったときに作った、
宮﨑さんを代表するシグニチュアカクテル)「シロック・ヴィンヤード」は
そこはかとなく薔薇の香りのする、優しいカクテルです。

奈良に行かれる際には、ぜひ、奈良ホテルの「ザ・バー」で
この一杯を飲んでいただきたいな、と思います。

本当に美味しいですよ。



次回は7月1日のマイ奈良にて。


2014年4月7日月曜日

器と中身の話

4月になりましたね。
新たな生活が始まった方も多いのではないでしょうか?



さて、少し前の話になりますが、3月末にフェスティバルホールで杉本文楽を
観てきました。
フェスティバルホールは、2013年4月に新生フェスティバルホールとして生まれ
変わったところ。まだピカピカで、とても良いホールです。

杉本文楽、と銘打ったこの公演。杉本博司さんは多方面で活躍する写真作家
さんです。
古き日本の佳きものに対する審美眼はさすがのもので、舞台の上には必要
最低限の道具しか出ていないのに、それが物語へ誘うこと、誘うこと!
人の想像力を巧みにかき立てる舞台でした。
そりゃあ、日常の文楽公演からすれば舞台は暗いし、書き割りはないし。
でも、それがとても格好良かったのです。

ただ…。
舞台と映像のコラボレーションはちょっとキツかったかな、と。
文楽人形のバックで、人形を寄りで撮った映像が流れるシーンがあるのですが、
それはちょっと観ていて…醒めてしまいました。

あと、これだけは言いたい。
三味線と語りが、マイクを通してのPAだったのですが、音質が悪くて浄瑠璃の
良さが全然伝わってこなかったこと!
そして、舞台が広すぎて、客席が広すぎて、人形の細やかな温度感が伝わって
こなかったこと!!

この二点は、他の演出が良くても、とてもとても、とっっっっても残念でした。
文楽の第一の魅力は浄瑠璃であると思います。
それが、キンキンしたマイクの音に変換されるのは、とっても哀しいし、
物語に入っていく事をとても難しくさせます。
おそらく、西洋の発声法に対応している音響さんでは難しい事だったのかも
知れませんが…。特に、呂勢太夫さんの声質には全然合っていなくて、残念。
あと、今回は回り舞台ではなくて、太夫さんがご自身で出捌けをなさるのです
が、舞台が暗すぎて、高齢の嶋太夫さんにはお気の毒でした。

そして、舞台が広すぎて、人形の動きの機微が伝わってこなかったこと。
これが、200〜300席のホールなら、どんなに良かったことか。
広すぎると、細部が見えず、「誰が動かしても一緒」という気分にさせられます。

どれだけ作品が良くても、
  ・どこでやるか
  ・誰がやるか
  ・誰が観るか
  ・いつ観るか
これはとっても大切だと、身に染みました。
いい作品だと思うのに、とってもとっても勿体ない。
杉本博司さんの世界観もとても素敵で、鶴澤清治さんの三味線なんて、ぞくぞくっと
するくらいモダンで格好良くて痺れました。
そして、これを企画した方の意欲と先見の明にも感服致しました。
それが揃っても尚!
  ・どこでやるか
  ・誰がやるか
  ・誰が観るか
  ・いつ観るか
これがびしっと揃わないと、気持ちいい公演にはならないのですね…。

そう思うと、脈々と受け継がれてきた伝統芸能と言うのは、残るべくして
残ってきた、理由があるように思います。

どこぞの首長か知りませんが、ご自分の一方的な考えで、文化の根を絶やすような
事はしてはなりませんね…。


と、つれづれなるままに、失礼致しました。



2014年4月3日木曜日

朝倉摂さん

去る3月27日、舞台美術家の朝倉摂さんが、天国へ旅立たれました。

摂さんは、私にとってずっとずっと憧れの人でした。
今でも、憧れの人です。

大学を卒業して、大阪で会社員として働き始めたものの、観客としても
なかなか「これ!」という舞台に巡り会えず、悶々としていた頃。
何気なく図書館で開いた図録に、心を揺さぶられました。
その頃の私は、好きな芝居の台本に合わせて、自分で演出を考えたり
舞台美術をスケッチするのが好きだったのですが、そんな自分の
ハートにクリーンヒットする舞台美術に出会ってしまったのです。
それが、朝倉摂さんの美術でした。
「朝倉摂のステージワーク」という図録。
どのページをめくっても、ゾクゾクするような舞台セット。
そして、演出と、照明と解け合うような効果。

それから先は、摂さんが舞台美術を手がけられる公演を探して観劇する日々。
図録で観た作品が、実際のセットとして活き活きと使われているのを
観るのも圧巻でした。


一度、お仕事をお願いしようと、知り合いの方に紹介していただき
代々木のアトリエに伺った事があります。
緊張して何を喋ったかもはっきりとは憶えていませんが、とにかく気さくに
お引き受け頂きました。「いいよ、やるよ」とあっさり言ってくださった
その気っ風の良さが、いかにも江戸っ子でかっこ良かったのは、はっきり
記憶に残っています。
その後、様々な事情でその依頼はなくなってしまったのが、今でも心残りです。

それから、横浜のBankARTで開かれた「朝倉摂展アバンギャルド少女」という
展覧会にあわせて組まれた5回講座(だったかな?)の摂さんの講義にも
参加させていただきました。
そのとき、もう87歳だったのですね…。
矍鑠として、ペットボトルの蓋もご自分でキュッキュと開けておられたのが
とても印象的でした。
一言一言が宝石のようで、惜しみなくご自身の価値観と当時の思い出を
お話してくださいました。


そして、告別式。
摂さんとの3回目の対面がこんな形とは哀しすぎましたが
たくさんの人に囲まれ、たくさんのお花に囲まれ、摂さんはとてもきれいでした。
いつもかっこ良かった摂さん。
好きなものは好き、いいものはいい、そしてダメなものには本気で怒る。
91歳の大往生、と言われるかも知れませんが、
私にとっては、100歳も、200歳になるまでも生きていていただきたい方でした。



図書館で出会ってから、たくさんのものを頂きました。
音楽座の「リトル・プリンス」大好きでした。
本当に、本当にありがとうございました。

心から、お悔やみ申し上げます。
摂さん、さようなら。


http://www.amazon.co.jp/朝倉摂のステージ・ワーク-1991‐2002-朝倉-摂/dp/4891946369/ref=pd_sim_b_1?ie=UTF8&refRID=08V922WF9HYQNMQDHPYA

2014年1月27日月曜日

ホールの仕事

先日、公共ホールの連盟の研修会に行って来ました。その中で、
「限られた予算の中で、どうやって事業(イベント)をしてますか?」
という話題になったのですが、とある館から、
「プロモーターを通していては、よけいなマージンを取られます。
 個人のコネクションを存分に活かして、なるべく余計な費用を
 かけずに事業をしています」
という実例が紹介されました。

これは、よくある話です。

しかし、現状の公共ホールの問題を多く孕んでいると思うのです。

現状、公共ホールで働くスタッフは、買い手市場です。
事業を運営しているスタッフの多くは嘱託職員(契約社員)で、
大卒初任給よりも安い月給で雇われている人も少なくありません。
都心でも17万、地方なら14万、11万なんていう募集もよく目にします。
(しかも、手取りでなく額面)
5年雇い止めの法律ができたので、頑張っても5年までしか働けないし
1年ごとの更新、長くて3年、指定管理が切れたら即クビ、なんてところが
ほんとに多いです。実感として7割くらいはそうだと思います。

にもかかわらず、そんなスタッフに自分のコネクションまで「持ち出し」
させよう、と言うのは果たして…。

だって、例えば保険の外交の人がノルマを達成する為に、家族や親戚に
無理矢理保険に入ってもらうのと、似てませんか?(ブラック企業的な)
それと、個人的な繋がりを以て、アーティストに安く来てもらおう、と
言うのは、あまり違わないのでは?と思うのです。


例えば、館長とか、芸術監督とか、その館の“顔”となるべき人が
コネクションや経験や、ネットワークを駆使すると言うなら分かります。
しかし、事業をいくら安くやっても、上手くやっても、その人の
名前や顔が決して表に出るわけではないスタッフの個人的な財産まで
ねだろうと言うのは、ちょっと違うような気がします。



そして、求められるがままに、すべてを投げ出してしまう側にも
問題があるのではないでしょうか。
加えて、「やりたい事(芸術文化の仕事)をやってるんだから、お給料
安くても仕方ない」「やりたい事やってるんだから、そのコネクション
差し出してよ」という考えを両者とも持っているのも、どうかな〜。


もちろん、反対意見もあるでしょうし、
二項対立では住まない問題であると思います。
事実、私もそう言う事をしてきました。
しかし、それをデフォルトとしてまかり通らせるのは、
私はやっぱり、嫌だな、と思います。

私はとても恵まれた環境で働かせていただいていますが、
少しのかけ違いで、不幸な搾取になっているところもあるし、
薄氷を踏むが如き状況のホール運営のパワーバランスってのも、なぁ…。
なんて思うのです。



公共ホールの未来が、少しでも明るくなるように。


2014年1月7日火曜日

「象の会」無事終了しました

コンテンポラリーダンス公演「象の会」無事終了することが出来ました。

ご来場くださった皆々様、
ダンサー、振付家、チラシデザインや受付やテクニカルのスタッフの皆様
本当にありがとうございました。

思い返せば感謝の言葉以外にありません。


こうして、じたばたもがきながら、一つ一つ、薄紙を重ねるように
何かを世に送り出す事が出来るのは
本当に幸せなことだなぁ、と改めて感じます。

2014年、そしてもっと先へ、もっともっと。

これからも、進んでいきたいと思います。


本当に、本当にありがとうございました。


愛と感謝を込めて。




福島 ナオコ

2014年1月1日水曜日

もう一つ。足の話。

象の会のお申し込みはこちらから承ります!
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284


今日は、元日なので、調子に乗ってもう一つ。


実は私、足つぼとリンパのマッサージをしております。

人の体や足を触るのは、すごく面白いです。
年末年始は、普段会えないけれど、親しい人にあうチャンスでもあるので
足やからだを触らせていただくことも多いのですが、
その人と会って、話したり食事をしたりするよりも
黙ってからだをさわるほうが、落ち着くわ〜、と思うころもしばしば。
一見するその人と、全く違うゴリゴリの足を持っていたり、
からだが思いのほかかちんこちんだったりすることもあり
その人の、意外な横顔をみるような気持ちがします。

私の祖母は老人ホームに入所しているのですが、象のように太い足を
しています。
多分、滞っているんでしょうね。いろんなものが。
でも、優しくさするだけでもとても喜んでくれます。
そういうことが、私のマッサージの原点になっています。

お正月、多分、ゆったり過ごす時間が多いと思いますので
よければ、テレビを見ながら、こたつに入りながら、
誰かを待っているとき、ちょっと緊張したとき、
足の裏をぐりぐりしてみてください。
あるいは、二の腕や、お尻のほっぺを、ぐりぐりしてみてください。
いつもは気づかなかった自分の「凝り」に気づいたり、
思いのほか「ほっ」とするかもしれません。

それでも、「まだ足りないよ〜」という時は、ぜひご一報くださいね。
ぐりぐりさせていただきに行きます!!





「象の会」(コンテンポラリーダンス公演)

いま、ここにあるものしか見えないのなら、そんなのダンスじゃない。
見えないものを見る、旅に出よう。

関西では貴重な3名の振付家による公演。


日時:2014年1月5日(日) 開場18:30  開演19:00
会場:神戸アートビレッジセンター KAVCホール
料金:前売2,400円  当日3,000円

出演:飯田利奈子 井上裕紀子 中川里紗 新田佳津子
   岡亜水 佐藤樹里愛 田中早紀 山下菜奈

   柴一平
   三輪亜希子


振付:鞍掛綾子 「Go-ya」(2013年初演)
   柴一平  「ある_ _ないからだ」(新作)
    三輪亜希子「ORANGE MOON」(2013年初演)


チケット購入
   ・eldeseo3@gmail.comに件名を「象の会 チケット」とし、
    お名前/電話番号/希望枚数をお知らせください
   ・下記のURLからもお申込み頂けます。
    http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284
    (シバイエンジンを使用しています)

  
   
主催・お問合せ
南都制作オフィス(福島)
eldeseo3@gmail.com
http://p-art-seisaku.blogspot.jp/
〒604-8187
京都市中京区笹屋町444 初音館101



協力 シバイエンジン


思うこと・雑記

象の会のお申し込みはこちらから承ります!
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284


年が明けましたが、公演が目前なので、なんだかドキドキと落ち着かない日々です。



毎年、似たようなことを目標に掲げて一年を始めます。
マメ、とか、丁寧、とか、そういうことが近年の目標でした。
今年は
「集中と解放。緩急のある年にする」
「なるべくシンプルに暮らす」
ことが目標です。

目標が達成できないと、「あぁ、今年も駄目だった。私成長してない」
と思うこともあるのですが、
目標というよりも、どちらかというと、心の中の灯台のように
迷ったときに航路を照らしてくれる、あるいは、道しるべとなるような
そういう言葉として刻みたいと思います。



ここ5年ほどは、元旦の朝に京都観世会館に「謡初式」を聴きにいきます。
毎年、早起きができなくて、遅刻ばかりです。
今年は、ついに最後の四海波しか聴けませんでした(苦笑)。
しかし、京都観世会の能楽師の多くが会し、朗々と歌い上げる姿は
それはそれは、爽やかで頼もしく、美しいのです。

年始の習慣というのは、それだけで、胸襟を正せるような風情があります。

いろんなことが不安になったり、怒りになったり、悲しみになったり
することもあるかと思いますが、
なるべく清々しく、明るく、地道に過ごしていきたいと思いますし、
そんなことがまかり通る世の中になるよう
すこしでも貢献できれば、と思っています。

感謝と、感謝と、感謝を込めて。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。





「象の会」(コンテンポラリーダンス公演)

いま、ここにあるものしか見えないのなら、そんなのダンスじゃない。
見えないものを見る、旅に出よう。

関西では貴重な3名の振付家による公演。


日時:2014年1月5日(日) 開場18:30  開演19:00
会場:神戸アートビレッジセンター KAVCホール
料金:前売2,400円  当日3,000円

出演:飯田利奈子 井上裕紀子 中川里紗 新田佳津子
   岡亜水 佐藤樹里愛 田中早紀 山下菜奈

   柴一平
   三輪亜希子


振付:鞍掛綾子 「Go-ya」(2013年初演)
   柴一平  「ある_ _ないからだ」(新作)
    三輪亜希子「ORANGE MOON」(2013年初演)


チケット購入
   ・eldeseo3@gmail.comに件名を「象の会 チケット」とし、
    お名前/電話番号/希望枚数をお知らせください
   ・下記のURLからもお申込み頂けます。
    http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284
    (シバイエンジンを使用しています)

  
   
主催・お問合せ
南都制作オフィス(福島)
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http://p-art-seisaku.blogspot.jp/
〒604-8187
京都市中京区笹屋町444 初音館101



協力 シバイエンジン

あけましておめでとうございます!!

象の会のお申し込みはこちらから承ります!
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284


明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。

2014年!なんだか口にすると新鮮ですね。
皆様にとって、幸おおき年となりますよう、お祈り申し上げます。



さて、年末に照明合わせなどを終えた象の会。
いよいよあと4日です。

ここのところ、ばたばたしていてなかなかブログをアップできていませんでしたが
あっという間!!

どうぞ、皆様、ご期待ください。


ダンスの後には、振付家3名によるトークもあります。
鞍掛綾子さん、柴一平さん、三輪亜希子さんの3名が会してトークする機会は
きっともうないと思うので、お楽しみになさっていてくださいね。




「象の会」(コンテンポラリーダンス公演)

いま、ここにあるものしか見えないのなら、そんなのダンスじゃない。
見えないものを見る、旅に出よう。

関西では貴重な3名の振付家による公演。


日時:2014年1月5日(日) 開場18:30  開演19:00
会場:神戸アートビレッジセンター KAVCホール
料金:前売2,400円  当日3,000円

出演:飯田利奈子 井上裕紀子 中川里紗 新田佳津子
   岡亜水 佐藤樹里愛 田中早紀 山下菜奈

   柴一平
   三輪亜希子


振付:鞍掛綾子 「Go-ya」(2013年初演)
   柴一平  「ある_ _ないからだ」(新作)
    三輪亜希子「ORANGE MOON」(2013年初演)


チケット購入
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    お名前/電話番号/希望枚数をお知らせください
   ・下記のURLからもお申込み頂けます。
    http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=e817e2c284
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主催・お問合せ
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