2012年6月9日土曜日

観劇録:平山素子さん リレーコレオグラフ

さてさて。
リレーコレオグラフ。

懐かしい面々(以前のショウイングに出演してくださった方々!)に
お会いし、しかも、資生堂の上田さんや衣装の堂本さん、
アルファルファの山口さんにもお会い出来て、客席ですでに感激。

東京は、やはり公演本数も多いですし、レベルも高いので、羨ましい。
文化の一極集中は確かにあるし、地方は地方の良さがあるけれど、
良作に巡り会う確率は東京が断然高い。見るものとしては羨ましい。



そして、平山素子さんの「リレーコレオグラフ」。
前プログラムが押して、なんと45分押し。
しかし、劇場さん側からは一言の説明もなし。ま、そう言う企画なのね。
(やれやれ。ですが、東野祥子さんのダンスは凄かったです)

この企画は、4人の振付家(今回は、安藤朋子さん、井出茂太さん、
室伏鴻さん、和栗由紀夫さん)が、
一人のダンサー(平山さん)に振りつける、というもの。
企画性の高い催しなだけに、どんな状況になっているのか、
興味津々、戦々恐々。


今回、観た私の感想。
素子さんへのキャッチフレーズにしました(笑)。
「平山素子は、支配されない。」
素子さんの魅力の一つは、観客を高い集中に引き込むことだと思って
います。それは、作品に由来するところが半分、そしてダンサーとしての
ところに由来するのが半分なんだなぁ、と今回観て思いました。
素子さんは、どの方のピースを踊っても、それに翻弄されないし、
逆に蹂躙もしない。
人の振付けを尊重しているのだけれど、それに膝を折ることはない。

4つのピースは、全く別のところに由来していますが、それだけに、
首尾一貫して素子さんの崇高な感じがよく現れていていました。
敵国にとらわれた(あるいは臣下に裏切られた)姫が、投獄され、拘束され
折檻されても、プライドを失わずに気高く死んでいくような(しかも、その
合間合間に井出さんのキュートなピースが挟まってる!)。
いえ、あくまでも感想なので、別にそういうストーリーがあった訳では
ないのですが、構成的に、ね。
ダンスは言葉や物語がないだけに、踊り手の人間性が如実に現れますねぇ。

ところで、衣装は緑色のウール(?)のワンピースで、とにかく重そう、
で、暑そう。
踊りが、もの凄い動くピースと、めちゃくちゃ静かなピースが交互に出て
くるので、体力的にも凄くきつそうだし(間違いなくきつい!)、
とにかく動くのが大変そうな衣装でした。
激しく動いた後、動きの少ないピースに行くのもしんどいけど、その後また
激しく踊るのは更にきついだろうし、更にその後で痙攣、とか、過酷…。
それが、絶対無二の演出効果ならいいのですが、そう言う訳でもなさそう。

企画者側へのお願いとしては、踊りこんで、作品としての精度が上げられる
環境を提供してほしかったなぁ。
というのは、自分への戒めでもありますが。


いやしかし、批判的なニュアンスが濃い内容になっていまいましたが
これは相当貴重な機会。見られてよかったです。
この企画、どんどん進化させてほしいです。

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