今日は、文楽劇場で「文楽若手会」を観てきました。
開演前に、とある人形遣いの方と打合せをしており、大阪市からの助成金カットの話になりました。そこで、人形遣いの方が仰ったのは
「僕たちが声を荒げて何かを言うことは、今後もほぼないでしょう。きっと、そう言うことをして、事態が改善されることはないと思います。僕たちができることは、芸を磨いてお客様に来ていただくことです」と仰っていました。
これについても色んな意見があるでしょうが、文楽でも歌舞伎でも、今や制作さんや営業さんがいらして、広報や宣伝活動をすごく苦心してやっておられます。
そこでどなたかが、まだ観たことのない文楽に興味関心をもったとしても、いざ劇場に足を運んだ時にがっかりする芸だったら元も子もない訳で、「厳しいときだからこそ芸を磨く」というその言葉を、凄く頼もしく思いました。
そう言えば、その打合せの後で伝統芸能のコーディネーター(かつての職場の先輩)と話していたのですが、能楽師の方がお酒の席で「このままだと能は三年でつぶれる」と仰ったそうです。「そうならないために(そうさせないために)、能がいかに素敵で格好いいかをきちんと表していかないと!」とも仰ったそうです。
好むと好まざるとにかかわらず、そういうことを考えなければならない岐路に立っているんですね、いずれの伝統芸能も。
ところで、若手会は満員。
普段の文楽公演の時に芯になる重鎮の方が出ていらっしゃらないので、客席はわりと空いているんだろうなぁ、と思っていたら補助席まで売り切れだったそうです。
「人気あるんや〜ん、文楽!!」
と、ちょっと嬉しかったな。
太夫さんの語りも、キャリアや声質でここまで違うの!?
太棹の三味線って、こんな音も出るの!?こんなことまで表現できるの!!
人形ってスタイルいい〜(こらこら)!
と十二分に満喫して帰りました。
ちなみに、能は”謡い”ますが、浄瑠璃は”語り”ます。
能は神様に見せるもの(本来は)ですが、浄瑠璃はお客さんに聞かせるものです。
伝統芸能なんて、あんまり知らないわ、という方も、文楽は取っ付きやすいかな、と思います(私はどちらも好きです〜。でも一括りに「伝統芸能」と言い切れないくらい違う舞台芸術だと思う…)。
あと、文楽のことを知るのには、三浦しをんさんの小説「仏果を得ず」がおすすめです!!
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