舞台を観て、書く。
私の仕事には、そういう機会が結構あります。
観たものを書くのは難しい。
観たもの、感じたことは、その人の主観なので、論理的に書こうと
しても、なかなか言葉が及ばなかったり、省略しすぎたり、という
ことがあります。
そんなときは、他人の目で文章を直してもらうことが、とても大切。
一方で、「観ないと書けない」表現、というのは必ずあります。
内容自体に、編集者(他者)の手が入るのは、まずい。
これは、したらあかんことです。
観てない人には、書けそうで書けないことがある。
「きっとこうやったんやろ?」という推測でも、絶対にそこは
書いたらあきません。
それは、食べたことのないものについて、さも食べたかのように話す
のと同じです。
それは駄目でしょ。
でも、書くことになると、やってしまう人は結構居るんです。
まず、観てください。
まずい芝居でも、どうしようもないダンスでも、もちろんすばらしい
舞台でも、なんでも、観てないのに批評したらあきません。
いつも観てるカンパニーでも、今回観てなかったら
その舞台の感想は、言えないのですよ(これ、案外やっちゃう人
多いように思います)。
この、流通とインターネットの普及しまくった世界なのに、
特定の場所で、特定の時間に、限られただけが、高いお金を払ってしか
体験できないことがある。
なんと贅沢な体験なのでしょう。
あなたはそこで観たものについて、感想を言う権利があります。
何を感じるのも自由です。
面白かったら、それをじっくり味わうのもよし、人に言いまくるのもよし。
つまんないと思ったら、思いっきり怒っていいんです。
願わくは、「こいつ、観てないな」というものに気づく心の感度を
あげて行きたいし、あがって行ってほしいな、と思う。
観たから出来ることがある。
観ないとしたらあかんことも、ある。
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